スチレンブタジエンゴム
スチレンブタジエンゴム (SBR)
世界で最も広く使用されている合成ゴムは、スチレンとブタジエンの共重合であるSBRです。
SBRは初めて世に出したバイエルの商標でブナS®とも呼ばれていました(バイトンがFKMの代名詞となったように)。
SBRゴムが最も多く使われているのは、天然ゴムとブタジエンゴムをブレンドしたタイヤ向けとなります。
SBRは単体では強度が非常に弱く、カーボンブラックによる補強なしでは使用する事ができません。
しかし、カーボンブラックを補強材として配合する事で、耐摩耗性に優れ強度を有したゴムへとなります。
SBRの欠点は、ポリマー主鎖の二重結合がある為、耐油性が悪く、耐候性、紫外線、酸素、耐オゾンなどに適していない事です。
加硫方法
標準SBR化合物は硫黄硬化です。
一般的な用途
- NRおよびBRと混合され、自動車などのタイヤ製造に使用されます。
非鉱油ベースのブレーキ液のシールに使用されます。
ブナS®はARLANXEOの登録商標です。
一般情報
ASTM D 1418 指定
SBR
標準的な色
黒
ISO/DIN 1629 指定
SBR
硬度範囲
50-70 Shore A
ASTM D2000/SAE J 200コード
AA, BA
相対コスト
低
推奨する使用温度環境
標準材の低温
-55°C / -67°F
特殊化合物低温
標準材の高温
100°C / 212°F
特殊化合物高温
パフォーマンスを発揮できるシール媒体
- 水
- アルコール
- シリコーンオイルおよびグリース
- 非鉱油ベースのブレーキ液
- 弱酸
パフォーマンスを生かせないシール媒体
- 石油ベースのオイルおよび燃料
- 芳香族、脂肪族、またはハロゲン化
- 炭化水素
- 強酸
- 鉱油