GMORS

水素化ニトリルゴム

水素化ニトリルゴム (HNBR)

水素化ニトリルゴム(HNBR)は、ニトリルのブタジエンセグメントの二重結合を水素で飽和させることによって得られる合成ポリマーであり、HSN(Highly Saturated Nitrile/高飽和ニトリル)とも呼ばれます。この特別な水素化工程より、NBRポリマーの主鎖の多くの二重結合が減少するため、HNBRは、標準のニトリルよりも優れた耐熱性・耐オゾン・耐薬品性・機械的特性を備えています。

アクリロニトリル含有量

NBRと同じように、HNBRポリマーの種類に応じて、さまざまなレベルのアクリロニトリル(ACN)含有量があります。ACNの含有量は、17%から49%まで変化します。ACNの含有量が少ないと、低温特性は向上します。しかし、燃料と極性潤滑剤に対する耐性は低下します。ACNの含有量が多いと、低温特性は低下します。しかし、燃料と極性潤滑剤に対する耐性が向上します。標準のHNBRは通常、36%のACN含有量です。

加硫方法

過酸化物硬化

HNBRは通常、Ge Maoの標準化合物に対して過酸化物硬化して生成されます。また、硫黄硬化して動的システムの柔軟性を向上させることもできますが、耐熱性・圧縮歪が低下します。

一般的な用途

  • HNBRは、設置をさらに容易にしたり動的用途での摩擦を減らすために、内部潤滑が使用されます。
  • 21CFR177.2600で指定されている「ホワイトリスト」成分のみを使用して配合する場合、飲食品関連の用途でシールとして使用する事が出来ます。
  • HNBRは通常R134a冷媒ガス、またはR401a、R404a、R410a、R507、R744などの環境保護用の新しい冷媒が使用される自動車用空調システムで使用されます。
  • HNBRは、耐摩耗性に優れているため自動車のシャフトシステムにも使用されています。
  • より深い油井では、熱・原油・硫化水素・蒸気・爆発的減圧などに対する材料耐性が必要になります。この用途では、HNBRの特殊化合物を利用できます。

一般情報

ASTM D 1418 指定
HNBR
標準的な色
黒、緑
ISO/DIN 1629 指定
HNBR, NBM
硬度範囲
50-90 Shore A
ASTM D2000/SAE J 200コード
CH, DF, DH
相対コスト

推奨する使用温度環境

標準材の低温
-40°C / -40°F
特殊化合物低温
-55°C / -67°F
標準材の高温
150°C / 302°F
特殊化合物高温
165°C / 329°F

パフォーマンスを発揮できるシール媒体

  • 石油ベースのオイルおよび燃料
  • 脂肪族炭化水素
  • 植物油
  • シリコーンオイルおよびグリース
  • エチレングリコール
  • 希釈した酸、塩基、塩溶液(適度な温度)
  • 水および150°C(300°F)までの蒸気

パフォーマンスを生かせないシール媒体

  • 塩素化炭化水素
  • ケトン
  • エーテル
  • エステル
  • 強酸