エチレンプロピレンゴム
エチレンプロピレンゴム (EPR, EPDM)
EPDMは、エチレンとプロピレンの共重合体であり、さらにエチレンとプロピレンと少量の第3モノマー(通常はジオレフィン)とのターポリマー(三元重合体)であり、硫黄による加硫を可能にします。一般に、エチレンプロピレンゴムは、オゾン・日光に対する優れた耐性があり、耐候性に優れ、低温での柔軟性、耐薬品性(多くの希酸・アルカリ・極性溶剤)、電気絶縁性に優れています。
加硫方法
硫黄硬化と過酸化物硬化
標準のEPDMは通常、硫黄硬化を用います。硫黄硬化化合物は、柔軟性に優れていますが、硬化しやすく、高温での圧縮歪が低下します。過酸化物硬化EPDMは、耐熱性に優れ、圧縮歪が低くなっています。これは、特に建設業界のホースシステムでの長時間の使用に対応します。しかし、硫黄硬化よりも高価で製造が困難です。
一般的な用途
- 21CFR177.2600で指定されている「ホワイトリスト」成分のみを使用して配合する場合、飲食品関連の用途でシールとして使用する事が出来ます。
- 各国の飲料水認証の承認を受けた場合、飲料水用途で使用する事が出来ます。
GMORSはアメリカ(NSF61)、英国(WRAS)、フランス(ACS)、ドイツ(KTW,W-270)の飲料水認証材を保有しています。 - 自動車の空調システムとして、R134a冷媒とPOEまたはPAG潤滑剤、高圧および高温でのCO2の爆発的減圧に対する優れた体制を求められるR744冷媒向けに使用されます。
- リン酸エステルタイプの油圧作動油で使用する事が出来ます。
一般情報
ASTM D 1418 指定
EPM, EPDM
標準的な色
黒
ISO/DIN 1629 指定
EPM, EPDM
硬度範囲
30-90 Shore A
ASTM D2000/SAE J 200コード
AA, BA, CA, DA
相対コスト
低
推奨する使用温度環境
標準材の低温
-55°C / -67°F
特殊化合物低温
-60°C / -76°F
標準材の高温
125°C / 257°F
特殊化合物高温
150°C / 302°F
パフォーマンスを発揮できるシール媒体
- アルコール
- 自動車用ブレーキ液
- ケトン
- 希酸およびアルカリ
- シリコーンオイルおよびグリース
- 204°C(400°F)までの蒸気
- 水
- リン酸エステルベースの油圧作動油 - Skydrol®
- オゾン、経年劣化、風化
パフォーマンスを生かせないシール媒体
- 脂肪族および芳香族炭化水素
- ジエステルベースの潤滑剤
- ハロゲン化溶剤
- 石油ベースのオイルおよびグリース